Der Streit um die Sterbehilfe und die Suizidbeihilfe in Deutschland

公開日:2018.11.26

発行日
2018年03月30日
概要
 ドイツにおいて,臨死介助(安楽死)を巡る議論は,近時,劇的な変化を遂げている。本稿は,同議論について,この間の動向を伝えるものである。
 筆者は,まず,臨死介助の古典的形式を確認し,人間の尊厳とそこから導かれる自己決定権から臨死介助を論じる判例・学説の進展(発展)を,プッツ(Putz)判決をひきつつ紹介している。「個人の自己決定権は,人が自己の生と死について他者の影響を受けずに決断する権利を保障しているので,患者が治療を行わないことを要求しうるならば,それは望まない治療の終了についても同様に認められなければならない」として,自殺を試みた者に対する救助義務を否定し,治療行為の中止の正当化に関して「作為による不作為」という従来有力であった構成によらずに,その手段が作為であれ不作為であれ「治療中止」それ自体が許容されるべきであるとした同判決の趣旨について,筆者は正当であると評価する。そのうえで,このような議論の流れに逆行するかのごとき動きを体現したのが,自殺を支援する臨死介助協会の活発化を意識して近時成立した刑法(新)217条の「業としての自殺幇助禁止法」であるとする。自己決定権を否定するその内実について法案時から異を唱えてきた筆者は,同条文に対して憲法的な視点も加味して総合的な批判を加えるのである。
 さらに,新法の悪しき影響がすでに判例に現れていることを指摘して,筆者は,しかし,その一方,この新法に反対する判例も出ており,今後,それらが裁判所が新たな構成要件を制限していく契機になるであろう可能性について,あらたな「希望」として触れている。
 このように,本稿は,ドイツにおける臨死介助の議論のあらたな局面を紹介して大きな意義を有し,それは今後のわが国の議論にも大きな示唆を与えるものであると思われる。
文献等

掲載誌名・書名:

比較法雑誌, 第51巻, 第4号, pp.1-31

公開者・出版社:

日本比較法研究所

書誌コード類:

ISSN: 0010-4116

種類
紀要
言語
ドイツ語
権利情報
この資料の著作権は、資料の著作者または学校法人中央大学に帰属します。著作権法が定める私的利用・引用を超える使用を希望される場合には、掲載誌発行部局へお問い合わせください。

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