双方物損事故における新民法509条の適用と責任保険

公開日:2018.10.03

発行日
2018年03月31日
概要
改正前民法509条において不法行為による債権を受働債権とする相殺が禁止されていたところ、生命身体を侵害しない態様の過失による不法行為による債権を受働債権とする相殺が認められることに変更された。本稿は、この新民法509条をめぐり、双方物損事故における新民法509条の適用と責任保険との関係について、双方物損事故の加害者である不法行為者が責任保険に加入していた場合にも相殺が許容されるべきか,相殺が許容されるとしたら責任保険の保険者と被保険者の関係として責任保険の給付額は影響を受けるのかという問題提起がおこなう。そして、当該問題について、新民法509条の立法過程での議論や責任保険の領域の議論を分析した上で、双方物損事故場面における責任保険のあり方としては,保険者が責任保険を締結する合理的意思や経済的実質にふまえれば,相殺により責任保険の給付額は影響を受けるべきではないという結論を導き出す。さらに、こうした理論的な問題に加え、責任保険の実務の運用についても検討し、保険契約約款上の文言が相殺により損害填補が限定されるという趣旨の文言が採用される等により、被保険者の地位が不利益を受けることを回避するため,新民法下の約款の文言作成についても,被保険者が不利益を受けないような十分な注意が必要であるという主張をおこなっている。
キーワード

相殺

牽連性

責任保険

物損事故

文献等

掲載誌名・書名:

中央ロー・ジャーナル, 第14巻, 第4号, pp.115-132

公開者・出版社:

中央ロー・ジャーナル編集委員会

書誌コード類:

ISSN: 1349-6239

種類
紀要
言語
日本語
権利情報
この資料の著作権は、資料の著作者または学校法人中央大学に帰属します。著作権法が定める私的利用・引用を超える使用を希望される場合には、掲載誌発行部局へお問い合わせください。

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