フランスの合憲性優先問題: 裁判のあり方の変容の証明

公開日:2018.01.15

発行日
2016年06月30日
概要
 フランスでは,2007年8月の憲法改正によって,市民からの訴えによる法律の事後的違憲審査制が導入された。それを合憲性優先問題(QPC)と呼ぶ。講演においては,QPCの概要とその後の実績が述べられ,QPCが,これまでのフランスの裁判のあり方に変化をもたらしていることが示された。フランスは元来,裁判所に対する不信が強く,改正前のフランス第五共和制憲法にあったのは,立法過程の一部として憲法院が審査する法律の事前審査制だけであった。その後,憲法ブロックの充実などさまざまな変革に加え,QPCが導入されたことで,適用段階での法律の合憲性審査,すなわち市民が憲法により承認されている自由や権利を裁判の場で主張できるようになった。QPCの導入により,裁判所に広い権限を与えることを避けてきたフランスで,裁判所自らが憲法を考え,自由や権利について判断するという画期的な制度が確立したことになる。
キーワード

憲法院

コンセイユ・デタ

破毀院

事後的違憲審査

事前審査

第五共和制憲法

QPC

ジスカール・デスタン

文献等

掲載誌名・書名:

比較法雑誌, 第50巻, 第1号, pp.77-100

公開者・出版社:

日本比較法研究所

書誌コード類:

ISSN: 0010-4116

種類
紀要
言語
日本語
権利情報
この資料の著作権は、資料の著作者または学校法人中央大学に帰属します。著作権法が定める私的利用・引用を超える使用を希望される場合には、掲載誌発行部局へお問い合わせください。

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